目次
どうもDimです。
今回は『ムーランドロンシャン賞』について解説します。
フランス競馬の秋を彩る華やかな祭典、「ムーランドロンシャン賞」をご存知でしょうか。
このレースは、ヨーロッパのマイル(約1600メートル)戦における最高峰の一つとして、世界中の競馬ファンから注目を集めています。
その歴史は深く、数々の名馬がこの舞台で伝説を築き上げてきました。
本記事では、この権威ある競走の魅力や背景を、初心者の方にも分かりやすく深掘りしていきます。
競馬の奥深さに触れ、さらにレースを楽しむための情報が満載ですので、ぜひ最後までお付き合いください。
先に結論を言います!
- ☑️ ムーランドロンシャン賞は、フランスのパリロンシャン競馬場で開催される芝1600mのG1レースです。
- ☑️ 1957年にパリロンシャン競馬場の開場100周年を記念して創設され、レース名は競馬場内の風車に由来します。
- ☑️ ジャックルマロワ賞とは異なり、高低差のあるコースが特徴で、スピードだけでなくパワーとスタミナが求められます。
- ☑️ 武豊騎手が1994年にスキーパラダイスで優勝し、日本人騎手として初の海外G1制覇を達成しました。
- ☑️ 毎年9月に開催され、欧州マイル路線の重要な一戦として位置づけられています。
ムーランドロンシャン賞の基本情報
ムーランドロンシャン賞は、フランスの首都パリにある由緒正しいパリロンシャン競馬場で開催される、芝1600メートルの平地競走です。
このレースは、国際的な格付けにおいて最高峰であるG1に指定されており、世界中の優秀なサラブレッドが出走を目指します。
出走できるのは3歳以上の牡馬、牝馬、そして騸馬(去勢された牡馬)です。
特に、2020年からは騸馬の出走も可能となり、より多くの競走馬に門戸が開かれました。
賞金総額は2025年で80万ユーロ(日本円で約1億3200万円)と非常に高額で、優勝馬には45万7120ユーロ(約7542万円)が贈られます。
これは、競馬関係者にとって大きな目標となる金額と言えるでしょう。
1.1. レースの格付けと出走条件
この競走は、世界でも最高のレベルと認められるG1に格付けされています。
そのため、出走するには厳しい条件をクリアする必要があります。
具体的には、3歳以上のサラブレッドが対象で、負担重量も年齢や性別によって細かく定められています。
例えば、4歳以上の牡馬や騸馬は58.5kg、牝馬は57kg、3歳の牡馬や騸馬は56kg、牝馬は54.5kgとなっています。
これらの条件は、競走の公平性を保ち、真に優れた馬が勝利を収めるために設けられています。
1.2. 開催時期と賞金
ムーランドロンシャン賞は、毎年9月に開催されます。
この時期は、ヨーロッパ競馬の秋シーズンが本格化する時期にあたり、凱旋門賞などのビッグレースへと続く重要なステップレースとしても位置づけられています。
2025年の賞金総額は80万ユーロで、優勝賞金は45万7120ユーロです。
これは、フランスにおけるマイル路線の最高峰レースであるジャックルマロワ賞に匹敵する規模であり、この競走の重要性を示しています。
歴史と開催地の変遷
ムーランドロンシャン賞は、1957年にその歴史をスタートさせました。
創設のきっかけは、パリロンシャン競馬場の開場100周年を記念するためでした。
この時、同じくアベイドロンシャン賞(現在のG1レース)も創設され、競馬場の節目を祝う二つの重要なレースが誕生したのです。
競走名の「ムーラン」は、パリロンシャン競馬場の敷地内、特に凱旋門賞のスタート地点近くにある名物の風車に由来しています。
この風車は、競馬場の象徴の一つとなっており、レース名にもその歴史が刻まれています。
2.1. 創設の背景と名称の由来
この競走が始まったのは、1957年10月6日のことでした。
パリロンシャン競馬場が設立されてから100年という大きな節目を記念し、競馬の発展と祝祭を目的として創設されました。
レース名の「ムーラン・ド・ロンシャン」は、競馬場の中にある歴史的な風車(フランス語で「ムーラン」)から名付けられています。
この風車は、かつて修道院の一部であり、1856年の競馬場開設時に再建されたものです。
歴史と文化が息づくこの場所で、数々の名勝負が繰り広げられてきました。
2.2. 開催時期とコースの変更
ムーランドロンシャン賞の開催日は、創設以来何度か変更されてきました。
当初は凱旋門賞と同じ日に行われていましたが、その後、ヨーロッパのマイル路線の主要レースとの兼ね合いを考慮し、9月上旬に移動しました。
これにより、イギリスのサセックスステークスやクイーンエリザベス2世ステークスといった他のG1レースと合わせて、欧州マイル路線の頂点を競うシリーズの一環としての役割を担っています。
また、使用されるコースも1987年以降、創設当初の中回りコースから、凱旋門賞と同じ大回りコースへと変更されました。
さらに、2016年と2017年には、パリロンシャン競馬場の改修工事に伴い、シャンティイ競馬場で代替開催されたこともあります。
これらの変更は、常に競走の質を高め、より良い環境でレースを提供するための努力の表れと言えるでしょう。
パリロンシャン競馬場1600mコースの特徴
ムーランドロンシャン賞が開催されるパリロンシャン競馬場の芝1600メートルコースは、その独特な形状から、競走馬に特別な能力を要求します。
このコースは、単なるスピードだけでなく、高低差を乗り越えるパワーとスタミナが勝敗を分ける重要な要素となります。
3.1. ジャックルマロワ賞との違い
フランスのマイル路線には、ムーランドロンシャン賞と並んでジャックルマロワ賞というもう一つのG1レースがあります。
しかし、この二つのレースには決定的な違いが存在します。
ジャックルマロワ賞がドーヴィル競馬場の直線1600メートルで行われるのに対し、ムーランドロンシャン賞はパリロンシャン競馬場のコーナーがあるマイル戦です。
具体的には、スタート地点からすぐに下り坂があり、その後も高低差のある起伏が続くため、馬の瞬発力だけでは勝ちきれません。
そのため、高い加速力だけでなく、坂を駆け上がるパワーと最後まで粘り切るための持久力が求められるのです。
3.2. レース展開の傾向
パリロンシャン競馬場の芝1600メートルコースは、向こう正面にある小さな林「プチボワ」と呼ばれるあたりからスタートします。
このスタート地点は、凱旋門賞の芝2400メートルコースの途中から発走する形になります。
スタート直後から下り坂に入るため、序盤から位置取り争いが激しくなる傾向があります。
その後も高低差のあるコースを走り、最後の直線では再び上り坂となるため、最後までスタミナを持続できる馬が有利となります。
過去のデータを見ると、内枠の馬が有利とされる傾向も見られます。
また、前走でジャックルマロワ賞に出走した馬が、このレースでも好走するケースが多いため、関連レースのチェックも重要です。
日本人騎手・日本調教馬の挑戦
ムーランドロンシャン賞は、日本人騎手や日本調教馬にとっても挑戦の舞台となってきました。
特に、ある日本人騎手の偉業は、日本の競馬史に深く刻まれています。
4.1. 武豊騎手の快挙
1994年、日本のトップジョッキーである武豊騎手が、このムーランドロンシャン賞でスキーパラダイスに騎乗し、見事優勝を果たしました。
これは、日本人騎手にとって初めての海外G1制覇という歴史的な快挙であり、日本の競馬界に大きな希望と感動をもたらしました。
この勝利は、日本の競走馬や騎手が世界の舞台で通用することを証明するものであり、その後の海外挑戦の道を大きく拓くきっかけとなりました。
4.2. 日本調教馬の成績
日本調教馬も、ムーランドロンシャン賞に挑戦してきました。
初めての出走は1986年のギャロップダイナで、10着という結果でした。
その後も数頭の日本馬が参戦し、2003年にはローエングリンが2着に入り、惜しくも優勝を逃しましたが、その実力を世界に示しました。
これまでのところ、日本調教馬によるムーランドロンシャン賞の優勝はありませんが、毎年、日本のホースマンたちはこのレースに熱い視線を送っています。
近年では、2021年に日本の安田記念やヴィクトリアマイルの上位3頭に、本レースへの優先出走権が与えられる「デスティナシオンフランス」の対象レースとなり、日本馬の参戦機会がさらに増えています。
ムーランドロンシャン賞に関するQ&A
Q: ムーランドロンシャン賞はなぜ「ムーラン」という名前なのですか?
A: レース名の「ムーラン」は、開催地であるパリロンシャン競馬場の敷地内、特に凱旋門賞のスタート地点近くに現存する歴史的な風車に由来しています。
この風車は競馬場の象徴の一つとなっており、その名がレースに冠されています。
Q: ムーランドロンシャン賞とジャックルマロワ賞の違いは何ですか?
A: どちらもフランスのマイルG1レースですが、大きな違いはコース形態です。
ジャックルマロワ賞がドーヴィル競馬場の直線コースで行われるのに対し、ムーランドロンシャン賞はパリロンシャン競馬場の高低差のある右回りコースで行われます。
そのため、ムーランドロンシャン賞では、よりパワーとスタミナが求められる傾向にあります。
Q: 日本人騎手や日本調教馬の最高成績はどれくらいですか?
A: 日本人騎手としては、武豊騎手が1994年にスキーパラダイスに騎乗し、優勝しています。
これは日本人騎手初の海外G1制覇という快挙でした。
日本調教馬としては、2003年のローエングリンが2着に入ったのが最高成績となっています。
今日のまとめ
今回の記事では、フランス競馬の重要なマイルG1レースである「ムーランドロンシャン賞」について詳しく解説しました。
このレースは、パリロンシャン競馬場の開場100周年を記念して1957年に創設され、競馬場内の風車にちなんで名付けられました。
ジャックルマロワ賞とは異なり、高低差のあるコースが特徴で、スピードだけでなくパワーとスタミナが試される舞台です。
また、1994年には武豊騎手が優勝し、日本人騎手として初の海外G1制覇という歴史を刻みました。
日本調教馬も挑戦を続けており、今後もその活躍が期待されます。
ムーランドロンシャン賞は、その歴史とコースの特性、そして数々のドラマを生み出してきたことから、競馬ファンにとって見逃せない一戦と言えるでしょう。
みなさんのお役に立てば幸いです。
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